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設計応力の取り方- 繰り返し荷重を受けるばね -

1.圧縮コイルばね

設計応力σはτ=χ8DP/πd³によって計算する。また設計応力は、バネ使用時の下限応力と上限応力との関係、繰返し回数、材料の表面状態など疲れ強さに及ぼす諸因子などを考慮して、適切な値を選ばなければならない。疲れ強さ線図は、ばねを設計する際の目安として便利なものである。

冷間形成圧縮コイルばねの疲れ強さ線図
(Goodmanの疲れ限度線図)

冷間形成圧縮コイルばねの疲れ強さ線図(Goodmanの疲れ限度線図)
繰返し回数 片振り疲労強度
10-7 σB×0.36
10-6 σB×0.40
10-5 σB×0.42
10-4 σB×0.50
【備考】
  1. 右の疲れ強さ線図は、弁ばね用ピアノ線及び弁ばね用オイルテンパー線に適用できる。硬鋼線及びオイルテンパー線などには、このまま使用しない方がよい。
  2. 上限応力係数0.45のところに引かれた太線は、ばねのへたりの許容限界を示すものである。ばねのへたり許容度は、上下に移動するので、わずかなへたりを許すならば、τmaxBのτmaxを許容ねじり応力までとって、太横線を上方に移動してもよい。
  3. 適切なショットピーニングによって有効な圧縮残留応力があるときは、τmaxBの係数を上方へ上げてもよい。

2.圧縮コイルばねの疲労限度線図の概略

ヘイの疲れ限度線図
ヘイの疲れ限度線図
【備考】
  1. 縦軸に応力振幅(両振り)をとり、横軸に平均応力をとる。
  2. 45°に線を引く(片振り)。
  3. 表面を研削した平滑試片の両振りねじり疲労限度τω0は、τω0=(0.22~0.37)×σB σB=引張強さ
  4. 片振りねじり疲労限度τμ0は、τμ0=(0.83~0.93)×τω0
  5. ねじり降伏点(許容ねじり応力)はD点から45°に線をひく。
  6. 疲労変形を考慮する必要がある場合は、降伏点を過ぎる45°の直線を、図の点線のようにとる必要がある。
  7. 材料の表面の肌の粗さ、脱炭の有無、酸化の程度により、ばね材料の疲労強度は、τωμに低下する。そのためばねの使用範囲は、0FGDとなる。
  8. 許容ねじり修正応力τは、静荷重時のτ0を超えない値が望ましい。
  9. 応力振幅は、常用荷重時の許容ねじり修正応力τの30%以下がよい。

3.ねじりコイルばね

設計応力σは、M(ねじりモーメント)/Z(断面係数)の式より計算する。また許容できる応力は、ばね仕様にの下限応力と上限応力の関係、繰返し回数、線の表面状態などの疲れ強さに及ぼす諸因子を考慮して、適切な値を選ばなければならない。

ねじりコイルばねの疲れ強さ線図
ねじりコイルばねの疲れ強さ線図
【備考】
  1. 右の疲れ強さ線図は、弁ばね用ピアノ線、弁ばね用オイルテンパー線に適用できる。硬鋼線、ばね用オイルテンパー線などには、このまま使用しないほうがよい。
  2. 上限応力係数0.7のところに引かれた太線は、ばねのへたりの許容限界を示すものである。ばねのへたり許容度は、わずかなへたりを許すならば、静荷重の場合の許容曲げ応力程度まで太横線を上方に移動してもよい。
  3. ねじりコイルばねの応力は、薄板ばねの曲げ応力にも適用できる。

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